詩人はまず、神は心の清らかな人たちにいつくしみ深い、と賛美します。ところが、この詩人の賛美の裏に、彼は大きな苦悩と憤りを抱え、主にある歩みがつまずきそうであると告白しています。その憤りこそ、悪しき者たちが栄えているという不条理に対してでした。詩人は心の内にある、悪しき者たちへの憤り、また妬みをあらわにしていきます。詩人自身もそのような心から抜け出したいと様々に努力しますが、それらは「苦役であった」と吐露します。しかしついに詩人は救いを見ました。ある時、神の聖所に入り、神の聖さに触れ、悪へのさばきは、神のものであることを再確認し、そして深く自らの罪深さ、心が苦みで満ちているということに気づかされます。私は「神の前で獣のようでした」と心醜く、愚かで分別もなかった自分自身に向き合います。それと同時に、そのような神の前に醜い私をも、主はしっかりと右の手をつかみ、導き、共にいてくださっていたことを覚え、賛美します。そして「神のそばにいることが幸せです」と、主が伴ってくださることで満ち足りる、幸せであるという信仰に導かれます。それは悪しき者への憤り、妬みからの解放であり、救いでもありました。私たちも心の闇に支配されるのではなく、ただ神のみそばにいることが幸せであるという信仰に導いていただきたいと思います。
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